超新星残骸 Puppis A のX線観測論文が受理されました。

勝田さんを中心とする研究グループは、銀河系内の超新星残骸「Puppis A」をヨーロッパのX線天文衛星「XMM-Newton」に搭載された分散分光器で観測し、高階電離したイオンからの特性X線の微細構造を初めて明らかに しました。一般に、超新星残骸のように拡がった天体では分散分光器は力を発揮しませんが、観測方法を工夫することで質の高いスペクトルを取得した 数少ない成功例です。スペクトル解析の結果、X線スペクトルは従来の熱放射モデルだけでは再現されず、これまで無視できると考えられてきた放射過 程(電荷交換反応由来のX線と共鳴散乱による自己吸収)が予想以上に重要である可能性が示されました。2012 年 9 月 1 日発行の Astrophysical Journal に掲載される予定です。