X線偏光観測

DSC_0915我々の研究室では、将来の衛星計画へ向けた検出器の開発も行なっており、そのひとつがX線偏光計です。ブラックホールや中性子星などの天体は、たとえ同じ銀河系内にあっても地球からは数万光年も離れており、どれだけ技術が向上したとしても細かい構造を見ることはできないでしょう。ところが、我々に届く光 (電波、可視光、X線など) の「偏光」は、その光が放射された現場の物理情報を教えてくれるのです。中でもX線は高エネルギー現象に伴って放射されるため、その偏光情報からは、ブラックホールの周囲にある降着円盤の様子や中性子星の磁場の様子を知ることができると期待されています。我々は、世界に先駆けてこれらを観測することを目指しており、NASAと共同でIXPE衛星に搭載するためのX線偏光計の開発に参加しています。玉川研で開発したガス電子増幅フォイルが、偏光計の心臓部とも言えるX線検出部として搭載される予定です。

ASTRO-H 衛星 

pct06_b2宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所が主導し、NASAやヨーロッパ・カナダの宇宙機関と、日本を含めた各国の大学・研究機関が参加して開発が進められている、日本で第6番目のX線天文衛星です。2015年度の打ち上げをめざしています。玉川研は超高エネルギー分解能を持つX線マイクロカロリーメーター検出器のチームメンバーとして、機械式冷却系 (クライオジェニック) のドライバー装置の開発を担当しています。ASTRO-Hが打ち上がれば、X線分光観測の感度は飛躍的に向上し、これまで観測できなかった微量な元素が発見されると期待しています。これにより、宇宙のどこでどのような元素が創成され、それがどのように宇宙空間にまき散らされたのかを解明します。
日々の開発レポート

すざく衛星

img_3083_post_crop宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所が主導し、オールジャパン体制で設計・開発が進められた日本で第5番目のX線天文衛星 「すざく」 です。2005年7月に打ち上げられ、約3桁にわたる広帯域と高感度を生かし、様々な宇宙の謎を解明してきました。玉川研では、星が一生を終 えたときにお こる大爆発(超新星爆発)によって生じる希少金属の生成について解明してきました( 理研のプレスリリース)。 「すざく」はASTRO-H衛星が打ち上がるまでは運用を続ける予定です。玉川研では、いまも精力的に「すざく」データを用いて、超新星残骸、中性子星、 ブラックホールなど、様々な宇宙の研究を行っています。

惑星分光観測衛星「ひさき」

image_kimura_et_al_2015_low_res宇宙航空研究開発機構 (JAXA) 宇宙科学研究所で開発された、世界初の惑星専用宇宙望遠鏡です。2013年9月に打ち上げられ、極端紫外線と呼ばれる地上では観測できない光を測定し、木星のオーロラ発光や金星の大気流出現象を観測しています。玉川研では現在までに、ひさきと、ハッブル宇宙望遠鏡、X線望遠鏡等を使った同時観測によって、木星の高速自転や太陽風がオーロラを爆発的に発光させていることなどを初めて解明してきました。我々は、NASAのジュノー探査機と協力しながら、いまも精力的に「ひさき」で観測を行い、惑星の研究を行っています。

写真:惑星分光観測衛星「ひさき」(左側)とハッブル宇宙望遠鏡 (右側)による木星オーロラ観測の想像図。(©JAXA/ISAS、ひさきプレスリリースより)

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